社員かどうかは法が決め、会社が決めるものではない

 佐々木亮弁護士のyahoo!記事にて、またトンデモな会社が現れたようです。

それは、関西で「類塾」を営んでいる株式会社類設計室が被告となった事件です(類設計室(取締役塾職員・残業代)事件・京都地裁平成27年7月31日判決・労働判例1128号52頁)。
(中略)
雑誌「労働判例」の表紙に、いきなり「全員取締役制塾職員の労働者性と割増賃金請求」という言葉が躍ります。
ここで、労働業界周りの読者は「え?どういうこと?」と一気に引き込まれます。
そして、「ぜ、全員取締役制?!・・・・だと?」と心を鷲掴みにされるのです。

そう、どうやらこの会社では、全社員を取締役ということにして残業代(=割増賃金)を払っていなかった、それが裁判沙汰になった、ということが判るわけです。

社員全員を取締役にしたら残業代は払わなくてもよいのか?~「類塾」を営む株式会社類設計室のやり方 佐々木亮

 要するに、株式会社類設計室という会社は、残業代を払いたくない為に、従業員を全員「取締役」であるとしていたわけです。
 過去記事にもある東映アニメーションの場合は、自営業者の個人請負と言い張っていましたが、実際は労働基準法が適用される従業員ということで、是正勧告を受けていました(過去記事:東映アニメーションの労基法逃れの偽装雇用問題に思うこと)。こちらでは、取締役ということで逃れようとしていましたが、当然のように認められず、労働基準法の適用される労働者として扱うように京都地裁から言い渡されています。

 当然ですが、会社に雇用されている人が労働基準法の適用される労働者かどうかを決めるのは、各会社ではなく、あくまで法律です。契約書に取締役と書いてようが、個人請負とあろうが、実態が通常の雇用契約と同じであれば、そちらが優先されます。
 悪質な会社は関心するくらいに色々な悪知恵を考えますが(名ばかり管理職や店長の問題は典型的)、裁量が狭い、人事権がない、出退勤が管理されている等、扱いが通常の労働者と同じであれば、労働基準法の適用される労働者となるので、もしこういう扱いがなされている場合は、然るべき場所へ相談しましょう。
 先ほどの事例の判決では、会社側に対して通常の残業代のほか、上乗せで遅延損害金年14.6%と500万円以上の付加金が付けられているので、こういう悪知恵の活用は、労働者側だけではなく、経営側にとっても得ではないということは理解しておいて良いでしょう。

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