「ホワイト企業アワード」なるものがあるらしいが…

 「ブラック企業大賞」はニュースになる程に有名ですが、「第1回ホワイト企業アワード」なるものが、財団法人の日本次世代企業普及機構によって、最近作られたみたいです。既に受賞企業は決まっており、表彰式については、これを書いている地点では再来週の25,26の二日間行われているとのことです(地域は違えど、二日間表彰式というのも珍しい気が)。
 これが公正な調査に基づいて受賞されるのであれば、企業にとっても、労働者にとっても、ひいては社会の為にも有益なのは間違いないでしょう。特に求職活動をしている人たちにとっては、喉から手が出るほどに欲しい情報だと思います。
 さて、これについて、どのように企業を選定しているのかを見てみると、基本は自己推薦方式のようです。勿論、推薦後には審査を行い、最終的に決定していくみたいです。

応募資格
・労働関連法における法令順守がしっかりと守られていること
・直近の3期のうち2期で営業利益が黒字であること
審査基準項目
・女性活躍分野(女性活躍推進法をベースとした6項目)
・ワークライフバランス理解分野(8項目)
・長時間労働に対する取組み分野(6項目)
・休暇取得促進分野(4項目)
・育児、介護休業制度充実分野(7項目)
・多様な勤務形態導入分野(8項目)
第一回ホワイト企業アワード 応募フォーム

 働き方だけではなく、きっちり利益を出していることが条件のようです。まあ、余裕のない赤字の企業よりは黒字の企業で働きたいのは当然の感情でしょうね。
 また、受賞企業を見た限りでは、実態は知りませんが、ニュース等で表立って悪い噂が流れている企業はなさそうです。
 さて、ここまで見た限りでは、良い取り組みであるように思えるのですが、懸念事項もいくつか。

①法律の専門化が社労士一名しかおらず、労組関係者や労働系NPOの理事は誰もいない。
 
 評議員、理事紹介のページを見た限りでは、法律の専門家が社労士の五味田 匡功さんという人1名だけでした。そして、社労士を含めた理事の経歴を見た限りでは、労働者側と云えるような人が1人もおらず、企業側のアドバイザー、コンサルタントのみとなっています。
 すなわち、審査側に労働者側からの意見を汲み取る人が誰もいません。労働者にとって働きやすい企業を決めるのに、労働者側の人間がいないのは、奇妙ですらあります。
 また、賛助会員を見た限りでも、労組や労働系NPOは皆無で、全てが企業でした。

②残業代をきちんと支払うことを否定しているかのような記事 

こちらのプレス記事より。

一般的にブラック企業といえば長時間労働、ノルマが厳しい、離職率が高い、未払い残業が常態化しているといったイメージですが、逆を言えば、労働時間が短い、ノルマが緩い、定着率が良い、残業代をきちんと支払っている、といった要件を整えている企業がホワイト企業としてしまうと、今後成長を図ろうとしているベンチャー企業は競争力を失いますし、またそこで働きたいという人の意向を否定することにもなります。
第1回ホワイト企業アワードの受賞企業11社が決定致しました。表彰式を4月25日(大阪)26日(東京)にて開催致します

 ここで不自然なのは、残業代の言及です。
 当たり前ですが、残業代を支払うのは法律で定められているような、最低限の義務です。しかし、「残業代をきちんと支払っている、といった要件を整えている企業がホワイト企業としてしまうと~」という記載を見ると、残業代を支払わなくても「ホワイト企業」認定をする可能性があるように読めてしまいます。また、ノルマについても、ノルマを達成できない時に罰を与えることは法律違反なのですが、その点も分かっているのかが怪しいです。
 本当に法律を理解している人間がこれに携わっているのか怪しんでしまう位に、この記載は非常に不可解です。

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