許可なしの録音が合法となる判例が出た

 職場での録音による処罰が無効となる判決が11日に出ました。

 上司との労働交渉や職場の会話を無断で録音したことなどを業務命令違反に問われ、銀行を解雇された女性が解雇の無効を求めた裁判で、東京地裁(吉田徹裁判長)は11日、「録音は自己防衛の手段と認められ、解雇理由とするのは酷だ」と判断し、解雇は無効とする判決を言い渡した。
(中略)
 判決は「女性は勤務評価が低く『辞めさせられる』との認識を抱いていた。録音は雇用上の地位を守る以外に使っていない」と指摘、解雇は違法と結論付けた。
録音で解雇は無効、女性勝訴 東京地裁 毎日新聞 2016年4月11日

 こちらでも、「労働トラブルの証拠として使えるもの」という記事の中で、ボイスレコーダーを使うことを推奨しましたが、改めてこれが司法によって認められた形です。雇用上の地位を守るためであれば、たとえ会社側が規則を定めても、録音を無断で行うことが法的に可能と認められたことは決して小さくありません。
 労働争議をしたことがある方ならご存知かもしれませんが、事実、暴言等のパワハラや口頭での労働交渉が存在していても、団体交渉や裁判の場では「言った記憶がない」ととぼけるケースは少なくありません。また、言ったと認めた場合でも、パワハラの場合、言ったとしても普通の注意程度だったと言い張り、交渉でも「かもしれない」程度の話しかしてないととぼけるようなことが多いです。しかし、録音をきっちりしておけば、なにを言おうが、しっかりと証拠として残ります。これらが決定打となり、裁判の判決が決まるケースもあります。有名なのは、東京高判昭和52年7月15日のものです。

そして話者の同意なくしてなされた録音テープは、通常話者の一般的人格権の侵害となり得ることは明らかであるから、その証拠能力の適否の判定に当っては、その録音の手段方法が著しく反社会的と認められるか否かを基準とすべきものと解するのが相当であり、これを本件についてみるに、右録音は、酒席におけるCらの発言供述を、単に同人ら不知の間に録取したものであるにとどまり、いまだ同人らの人格権を著しく反社会的な手段方法で侵害したものということはできないから、右録音テープは、証拠能力を有するものと認めるべきである。
東京高判昭和52年7月15日判時867号60頁

 酒の席でこっそり録音しても問題なく、証拠としても採用されたという判例です。
 今回の判決では、「雇用上の地位を守るために使っても問題はない」と出たため、上記の高裁判決よりもより労働争議で使えるものとなっています。
 ということで、録音機材は、いざという時の為に常備しておくのを強くおすすめしておきます。但し、所持している事は隠しておきましょう

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