法律にない勤務間インターバル規制を導入する方法

 EU圏では1993年に「勤務間インターバル規制」がEU労働時間指令として定められていますが、日本でもそのような動きが出ているようです。
 なお、「勤務間インターバル規制」とは、時間外労働などを含む1日の勤務終了時間から翌日の始業時間まで、一定時間の休息時間を保障する制度です。EUでは11時間と定められています。つまり、午後10時に勤務が終わった場合(時間外も含む)、翌日の午前9時までは仕事をさせることができません。

一定の休息時間を保障する勤務間インターバル規制が、残業の上限規制と並び、長時間労働対策として注目されている。法制化の議論に先立ち、UAゼンセン流通部門では今春、食品スーパーで一斉に制度の新設や充実を要求し、8社が導入を確約した。
(中略)
 UAゼンセン流通部門の木暮弘事務局長は「きっかけは昨年秋。大手2組合が先行して制度導入を自社に求めたところ、経営側からは『なぜうちだけがやらなければならないのか』という反応が返ってきた。それならば春の労働条件闘争で食品スーパーの組合が一斉に要求しようではないか、ということになった。業界の公正競争ルール実現と、取り組みの波及効果を狙った」と話す。
 流通部門としての要求基準は、EU(欧州連合)指令と同じ11時間の休息保障。約40組合が要求し、8組合が制度導入の回答を得、20を超える組合で継続協議とした。11時間の制度を導入したのは、フレッセイ労組、アップルランド労組、イズミヤ労組、三越伊勢丹グループ労組松山三越支部。ライフ労組、メガネトップ労組、イオン労連CFSユニオンは10時間の制度である。
8社が制度導入を約束/UAゼンセンの食品スーパー/勤務間の休息時間保障 機関紙連合通信社

 なお、ここでポイントなのは、日本では勤務間インターバル規制に関する法律は存在しておらず、これは組合による交渉によって定められたという点です
 組合によって、就業規則を上塗りできる労働協約を定めることができることに関しては、過去の記事で解説したとおりです。つまり、労働組合によって、新たに規則が定められたということです。

 また、今回もう一点。今回画期的なのは、スーパーという業界が、一斉に要求したということです。

 企業に勤めている人は自明のことでしょうが、同業界の会社というのは、必然的にライバルとなり得ます。よって、会社毎に要求をしたところで、記事にあるように『なぜうちだけがやらなければならないのか』という反応が返ってくる事は少なくないのが実情です。そして、これが日本に多い会社ごとの労組の弱点でもあったりします。
 今回は業界がまとめて動き出しており、『なぜうちだけが』という逃げ道を塞いで、要求が通りやすくしてます。このやり方は重要で、制度として労働環境を向上させるには、可能な限り大きな団結が必要となってきます。
 まあ、団結と聞くと敷居が高く聞こえる人も多いでしょうが、どうすれば良いかわからない場合は、まずは理念だけ賛同しておいて、可能なことだけ手伝うつもりで関われば良いのかなと、個人的には思います。

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