宮本政於「お役所の掟」はブラック企業跋扈の今でも通用する

初版が1993年の古い本ですが、厚生労働省(当時は厚生省)に勤めていた、宮本政於氏の本を紹介します。この本は、官僚の「非効率ぶり、ブラック企業ぶり(当時はこんな言葉はありませんでしたが)」を色々と書き、ベストセラーになりました。しかし、残念ながら今でも通用する箇所が山ほどあります。

例えば、有給休暇を取得しようとした時のこれ。

「宮本くん、休暇を一四日間もほしいなどと言うのはもってのほかだ。君は、アメリカ生活が長かったため、日本人の生活習慣がまだ身についていないとみえる。だいたい国家公務員としての自覚が希薄だよ。上級職だよ。僕の前任者は、君を甘やかしていたようだが、これから公務員としてのあり方を指導してあげよう。課長補佐になったら、休暇は連続してせいぜい三日が限度。まわりを見回してごらん、一四日間も休暇を取っている人間がいるかね。私などこの一〇年間、休暇など取ったことがない」

数年前のこと、私が出向先の防衛庁で課長に休暇を申請したとき、返ってきた言葉である。

「お役所の掟」 P109

この後、プライベートの海外旅行においても、「海外旅行申請許可願」というもの(本書内で「移動の自由に抵触した憲法違反ではないか」と指摘されている)がある、結局は和歌山の母の介護の為と嘘をついて同情を誘う等(実際は海外旅行にバカンスへ行った)、宮本氏が休暇を取得する際の苦労話が盛り込まれています。
勿論、特別な事情がない限り有給休暇を取らせないのは法律違反です(後日解説予定)。どうしてもその人が必要な場合は、使用者は時季変更権を行使することが可能ではありますが、濫用はできません。
他にも、パワハラや無意味なサービス残業等、法律違反上等の厚生省のブラックぶりが色々記されています。宮本氏は、「暴露趣味ではなく、問題提起のため」という事で本書を著した為、語り口は事実と論理を上手く混ぜ、淡々としているので、鼻息の荒い感じもありません。日本の労働環境の悪さに辟易している方にはオススメ。

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