一企業が自由時間の行動制限をすることは可能か~ポケモンGO禁止に関連し~

 住友理工が勤務時間外にも、ポケモンGOを禁止するという行動制限を行ったと話題になっていますが…。

住友理工はスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」が世界各地で社会現象となる中、スマホゲーム全般を就業中のほか、休憩中や出退勤時間も含めて全世界の拠点で禁止することを決めた。歩きながらスマホを使う「歩きスマホ」による事故防止が狙い。

ポケモン禁止だぜ!住友理工、全世界で「ポケモンGO」などスマホゲーム禁止 日刊工業新聞 2016/8/3

 世界中とありますが、今回は、日本の法や判例に基づいて説明します。
 休憩中や出退勤時間(記事にはこうありますが、文脈から通勤時間だと判断します)にも禁止させるとありますが、原則これらは勤務時間外となります。勤務時間外について、原則として使用者は拘束することは出来ません。尤も、これは法律として存在するわけではなく、兼業禁止の裁判に判例として「就業時間外は本来労働者の自由な時間であることから、就業規則で兼業を全面的に禁止することは、特別な場合を除き、合理性を欠く。」とあります(小川建設事件 東京地決昭57.11.19 労判397-30)。
 先程「原則」と書きましたが、例外もあり、前記小川建設事件は、「労働者がその自由な時間を疲労回復のために適度な休養に用いることは次の労働日における誠実な労務提供のための基礎的条件をなすものであるから、使用者としても労働者の自由な時間の利用について関心を持たざるをえず、また、兼業の内容によっては企業の経営秩序を害したり、企業の対外的信用・体面が傷つけられる場合もありうるので、従業員の兼業の許否について、労務提供上の支障や企業秩序への影響等を考慮したうえでの会社の承諾にかからしめる旨の規定を就業規則に定めることは不当とは言い難い。」ということで、勤務時間外の兼業規定は有効と判断されています。つまり、業務に大きく支障が出る場合は、勤務時間外の拘束はやむを得ないと判断されるということです

 さて、今回のポケモンGO等禁止についてですが、「歩きスマホ」による事故が発生する可能性があり、それが業務にも支障が出るという意味で、合法となる可能性は否定できません。しかし、ポケモンGOやスマートフォンゲームをやらずとも、歩きスマホによる事故が発生する可能性は十分あり、特定の機能だけを禁止することが合理的かどうかについては、大きな疑問が残ります。故、ポケモンGOやスマホゲームによって著しく歩きスマホ事故が増えたというデータでもない限り(3年前のデータですが、リンク先での調査では、歩きスマホはメールやSNS等のほうが圧倒的に多いとのこと)、しっかりと裁判で争えば、無効になる可能性が高いように思えます

 まあ、とはいったものの、歩きスマホは危険なのは確かなので、ポケモンGOに限らず、スマホを利用する際は立ち止まって使いましょう。

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