「ブラック企業と闘う望基金」と「民事法律扶助制度」

 ワタミ過労死事件で、娘さんが殺された森豪さんと祐子さんが、「ブラック企業と闘う望(のぞみ)基金」という基金を立ち上げたとのことです。ブラック企業と戦う人に対して、訴訟費用等と無利子で貸与するものです。

 居酒屋「和民」で正社員として働き、長時間労働などが原因で自殺した森美菜さん(当時26歳)の両親が、法律を無視した長時間労働などを強いる「ブラック企業」とたたかう労働組合や組合員を支援する基金を創設する。訴訟費用などがネックとなって泣き寝入りする労働者が少なくないことから、両親は「働く者が立ち上がるのを支えたい」と基金創設を決めた。
(中略)
 同労組やNPO労働相談センターに相談を寄せた人が裁判や労働審判でトラブル解決を目指す際、弁護費用や訴訟費用などを援助する。1件あたりの貸付額は無利子で50万円を上限とし、解決した場合は返済する。企業から賠償金を得られなかった場合、返済を免除することもある。

居酒屋との訴訟の両親創設へ 訴訟費用、無利子で貸付 毎日新聞 2016/8/8

 申し立て手数料、弁護士費用、交通費や宿泊費、書類作成費用等、訴訟には多額の費用がかかります(完全勝訴であれば相手側から金額を得ることが可能ですが)。特に、賃金未払いや解雇案件で戦っている人にとっては、勝訴するまで収入がなく、費用がなければ諦めるしかない状態になるでしょう。よって、このような動きが出来ることは、違法したもの勝ちみたいな現状を打破するのに貢献できるという意味でも、大きく歓迎したいところです。

 尤も、現状でも、収入の少ない生活困窮者に対しては、法テラスによって「民事法律扶助制度」の利用も可能です。例えば、単身者の場合は、資産額が180万以下かつ18万2000円(大都市は20万200円、他、ローンや家賃で額が加算)で、かつ、勝てる見込みがあり、報復や特権を目的とした訴訟でない場合は、無料で法律相談を受けたり、訴訟費用を無利子で借りることが可能です。また、こちらは貸与直後から、最低月5000円以上返済する必要があります。
 生活保護状態の場合(ブラック企業勤務による罰金や疾病で生活保護となった例は少なくない)、基金の利用は借金とみなされ、収入認定され保護額が借金と同額分減額されるので、「民事法律扶助制度」を使う事を強くお勧めします。一方で、生活保護ではないが、収入や資産が少ない場合はケースバイケースで、専門家を探す手間が省けるのは法テラスが主催する「民事法律扶助制度」ですが、万が一敗訴の場合、「民事法律扶助制度」で借りた費用は全額返済が基本です。しかし、基金を使えば免除される可能性もあります。どちらが良いかは、じっくり検討するのをお勧めします。
 ともあれ、この基金創設により、ブラック企業に対して泣き寝入りしない方が増えることを強く望みます。

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