固定残業代制度があるからといって、定額でいつまでも残業させて良いわけではない

残業代は、労働基準法第三十七条より、労働基準法上の管理責任者でない場合は支払わないと違法となります(尤も、このレベルすら守っていない企業も少なくないのですが)。

第三十七条  使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

そして、以前書いたとおり、そもそも残業自体に条件が存在しています。

さて、それを前提として、固定残業代制度というものについて。
固定残業代とは、企業があらかじめ一定の時間に応じた残業代を提示し、それを毎月支払う賃金体系です。つまり、毎月30時間分の固定残業代制度がある場合、たとえ15時間しか残業しなくても30時間の扱いです。
ただし、残業代は全額支払うという原則から、逆に固定残業代が30時間となっているのに、実際は40時間の残業を行った場合は、10時間分は別途残業代を出さないと違法となります。また、時間を明示していない固定残業代制度も違法となる可能性は高いです(参考資料より)。勿論、36協定に定められた残業時間の上限を越しても違法です。
つまり、固定残業代制度を取り入れたからといって、定額で無限の残業をさせることは不可能です。

もっとも、企業が固定残業代制度を取り入れているのは、人件費を抑えたいという理由が基本なのは頭に入れておくのをおすすめします。残業代なしの賃金は実は安いけど、固定残業代を含むことで求人票等にやや高い賃金を載せられるということで取り入れられていたりするようなケースが非常に多いので。(例:求人には「月25万円以上」と大きく書いてあるが、かなり小さく固定残業代の事が書いてある。某居酒屋で本当にあった)
また、固定残業代制度があるという事は、人並み以上に仕事をこなしても、その時間前後分の残業は最低限発生するものだと考えて良いです。定時でも終わるような仕事の場合、固定残業代制度を取り入れるメリットはないですし、そういった企業は今まで見たことがないので。
ただし、前半でも書いたとおり、超過分はしっかり請求しましょう

なお、某転職エージェントでIT系の求人情報を頂いた際、3割程が固定残業代を導入していたのはここだけの話(苦笑)。

参考:京都新聞 固定残業代、求人の8割違法か 京都府内企業調査

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