ワーキングホリデー的な働き方に内包する問題

 ふるさとワーキングホリデーなる制度が創設されるというニュースがありました。

都市部の学生などが、働きながら田舎暮らしを学ぶ「ふるさとワーキングホリデー」制度が創設されることになった。
「ふるさとワーキングホリデー」は、都市部の大学生などの若者が、長期休暇を利用して地方に滞在し、農家の収穫の手伝いや、加工品の製造などの作業を行って、収入を得る制度。

「ふるさとワーキングホリデー」創設へ 都市部の若者を地方に FNN 2016/8/17

 制度の詳細が報道でしかなく、どのようなものになるかはまだ判断がつきません。ただ、ここ十数年間、これまで以上に地方が衰退し、都市に人が集中している要因を取り除かずにこのような制度を設けても、意味はないような気がしてなりません。
 閑話休題。今回、タイトルにある通り、ワーキングホリデー的な働き方について。

 実は、ワーキングホリデーの労働者に対して、最低賃金を下回るような違法な賃金しか渡さないような企業は少なくありません(まとまった資料はネットにありませんでしたが「ワーキングホリデー 違法」で検索すると山ほど事例が出てくる)。大きな理由としては、言語力が不十分で、かつ現地の法律も知らず、訴えられるリスクが低い事です。また、ワーキングホリデーは長くても1年間なので、違法就労だと知っていても、手間のわりにリターンが少ないために見て見ぬふりをしている事がほとんどです。
(参考資料:一橋大学大学院社会学研究科博士課程 藤岡伸明氏の論文
 さて、冒頭でも書いた、ふるさとワーキングホリデーではどうなるでしょうか?
 この制度が、仮に今のワーキングホリデー制度みたいなものを国内で行うものであるとしましょう(1年間を上限に地方で働く)。法律や言語の問題はクリアできても、上記の「リターンが少ないから見て見ぬふり」になる可能性は低くはないでしょう。また、地方は都市に比べると、ユニオン(誰でも入れる労組)や労基署が近くにない可能性が高く、相談や団体交渉がし辛くなる可能性も高いです。

 とはいったものの、ワーキングホリデーは一時的なものだから、問題ないと考える人もいらっしゃるでしょう。しかし、労働者派遣法によって正規労働者が派遣社員に置き換わっていったように、高度な労働でない場合は、元来の労働者ではなく、違法行為に対して抗議をしてくる可能性の少ないワーキングホリデー労働者に置き換わっていく可能性があります。ワーキングホリデー制度そのものに反対する気はありませんが、このような問題が発生する可能性は常に頭に入れておいた方がよいでしょう。

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