懲戒ではない解雇の有効性については、労基署では判断できない

 今回は、あまり知られてない事として。
 テーマは、解雇されそうになったが、それに不服な場合、どこに相談をすべきかです。

 結論から書くと、労働組合、労働系NPO、弁護士等です。労働委員会や労働審判等で判断してもらう事も可能ですが、専門家レベルの知識がない場合は、いきなりこれらを行うというのはハードルが高すぎるでしょう。
 逆に、解雇案件については、労基署と社労士は相談しても、意味がありません

 そもそも、労基署は、解雇の際に解雇予告手当が支払われていない事や、労基署への届け出がないのに懲戒解雇を行ったというような、あからさまな法律違反の場合は、企業に改善指示を出すことが可能ではありますが、解雇の有効性については、労働基準法に掲載されている一部の例を除き ※1、法文レベルで「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない ※2」とあるように具体的な線引きが存在しない為、改善指示を出すことも不可能です。
 つまり、判断しやすい法律の監視をしているに過ぎず、判断しづらいものについては、労基署ではなく裁判所の管轄となります。
 
 また、社労士は元来会社に対して、法律的なアドバイスをしたり、各種問題を解決したりするもの。労働者側のための組織ではない為、あからさまな違法行為でなければ解決はしません。

 そして、解雇問題は自分から「やめる」と言ってしまったり、退職届・退職願を出せば基本的には解雇ではなく自己都合退職扱いとなること(但し、過度の長時間労働や、会社側の法令違反等による自己都合の場合は会社都合。また、脅迫や錯誤でやめるよう言わせた場合も無効)、書面で解雇通知書・解雇理由証明書が存在しない、頼んでも出してもらえない場合は、解雇の合理性がないということで解雇そのものが無効なものになる可能性があるということにも注意をしたほうが良いでしょう。 

※1 労働基準法第十九条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間並びに産前産後の女性が第六十五条の規定によつて休業する期間及びその後三十日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第八十一条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
※2 労働契約法第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

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