業務の中でうつ病にした場合は、会社にとって大損

 東芝で12年もの間、業務の中で発生したうつ病を理由とした解雇は無効として戦い続けた方の高裁差し戻し審の判決が、8月31日に出ました。

過重労働によるうつ病で休職していた東芝の元社員が、休業期間満了で解雇されたのは不当だとして、会社を相手に損害賠償などを求めていた訴訟の差し戻し審の判決が8月31日、東京高裁であった。奥田正昭裁判長は東芝に対し、差し戻し前の判決の倍以上となる約6000万円(利息除く)を支払うように命じた。
(中略)
一審の東京地裁は2008年、解雇無効と東芝側に約2800万円の支払いを命じる判決を言い渡したが、双方が控訴。2011年の高裁判決でも解雇無効とされたが、重光さんが在籍当時、精神科に通っていることを会社に告げていなかったことから、過失相殺として賠償額が減額された。重光さんは最高裁に上告。2014年、最高裁が過失相殺を否定し、高裁に差し戻していた。

一審から12年、過労うつ病・解雇訴訟で東芝に6000万円賠償命令…高裁差し戻し審 2016/8/31 弁護士ドットコム

 なお、解雇無効は、業務上の疾病であれば、原則として休職期間終了後と同時に解雇はできないという労働基準法19条 ※ を根拠にしています。また、疾病によって業務履行が出来ない場合は、業務上のものでない場合は一般的に、直近の給与の6割程度の傷病手当金のみを受け取りますが(条件を満たし、受け取る資格がある場合)、業務上のものであれば、それに元来の年収を加えた額を受け取ることが可能であることも、今回の判決にあります。また、医療費や損害賠償、慰謝料等もあり、かつ過失相殺も認められないということから、6000万円という高額になったというのが、今回の判決のようです。
 少し前に社員をうつ病にして退職に追い込むのを勧める社労士(この件により懲戒処分を受け、かつ3年間業務停止中)が問題になりましたが、実際にやると解雇であれば無効になり、かつ、多額の金額を払うことになり、報道によって評判も下がるというのが、今回の判決で明らかになりました。業務上で社員をうつにすることは、勤務によって得られた筈の利益も損ない、だからといって解雇をするとこのような裁判になる為、会社にとっても何のメリットもありません。つまり、業務上のうつの原因として圧倒的に多い、パワハラや過重労働を防ぐ取り組みは、うつを防ぎたい会社にとっても絶対に必要な事なのは間違いないでしょう。

参考:東芝・過労うつ病労災・解雇裁判、原告によるホームページ


※ 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。

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