日本で労働者天国と云われるオーストラリアの労働環境~長時間労働、組合編~

 昨日に続き、オーストラリアの労働環境について。今回は長時間労働と組合。

 「オーストラリアは労働組合の力が強く、長時間労働も存在しない」というイメージが強い方は少なくないでしょう。事実、1988年の杉本良夫氏『進化しない日本人へ』にも、「オーストラリアは労働組合の力が強く、労働争議も頻発しがちだ。」という記載があります。
 しかし、かつてはともかく、現在の実態は必ずしもそうとはいえません。

 まず、2013年の週49時間働く労働者の割合を掲載します。

日本:21.6%
アメリカ:16.4%
イギリス:12.3%
フランス:10.8%
ドイツ:10.5%
イタリア:9.6%
オーストラリア:14.5%
ニュージーランド:15.3%
デンマーク:8.7%
フィンランド:8.1%
スウェーデン:7.6%
参考:データブック国際労働比較2015 労働政策研究・研修機構

 日本の高さが際立ちますが、オーストラリアも決して低い数字ではありません。日本、アメリカ、ニュージーランドに次ぐ高い割合であり、一番低いスウェーデンの二倍となっています。尤も、日本のように極度の長時間労働はないのか、単純に社会問題化していないだけかは不明ですが、ニュースで過労死したという事件を見る事はありませんでした。
 事実、日本ほどではないにしても、休日なしで長時間営業している店は少なからずあり、長時間労働が存在し得る事も想像に難くないとは滞在していて思いました。
 さて、タイトルにも書いた通り、労働組合の組織率(2012年)も。

日本:17.9%
アメリカ:11.3%
イギリス:25.8%
フランス:7.7%
ドイツ:19.2%
イタリア:35.2%(2011年)
オーストラリア:18.2%
ニュージーランド:20.5%
デンマーク:83.6%
フィンランド:75.0%
スウェーデン:80.9%
参考:データブック国際労働比較2015 労働政策研究・研修機構

 こちらは、日本とほぼ変わらずであり、アメリカやフランスよりは多いものの、決して高くはありません。8割前後の北欧に比べると、圧倒的に少ないです。これらから考えると「オーストラリアは労組が強く、それ故に長時間労働が存在しない」というのは眉唾でしょう。
 また、ストライキが頻発するかについては、労働争議による労働損失日数比較(2013)によると…

日本:7日
アメリカ:290日
イギリス:444日
フランス:3850日
ドイツ:150日
オーストラリア:131日
参考:データブック国際労働比較2015 労働政策研究・研修機構

 とあり、日本が圧倒的に少なくて目立つものの、フランスは言うまでもなく、アメリカと比べてもオーストラリアは少な目です。故、頻発していると言う事はできないでしょう。
 さて、昨日の比較も含め考えると、確かに日本よりは労働環境は良いですが、労働者天国といえるかと聞かれれば、素直にイエスとは云えないでしょう。組合組織率が低く、それなりに長時間労働や最低賃金法違反が存在しているのが、オーストラリアの実態です。

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