非正規の健康診断低受診率問題には、制度の整備が必要だろう

 毎日新聞に、下記のような記事が掲載されました。

非正規雇用の健康管理は、形態ごとに特徴がある。パートの場合、労働時間が少ないと健康診断の対象から外され、別の職場と掛け持ちで働いていても把握されにくい。派遣労働は雇用主の派遣元と職場の派遣先とで労働安全衛生法上、健康診断の種類によって実施責任の所在が分かれる。それぞれ対策が必要であり、労働基準法や労働安全衛生法はすべての労働者に適用されるはずだが、「管理の徹底は事業所に任せられているのが実態」と井上さんは指摘する。「健康診断は予防や早期発見の第一関門ですが、週40時間以上働く人が対象の国内の調査でも、受診率は、派遣の若年女性で6割、パートの男性で4割と低く、社会問題です。問診に雇用形態を尋ねる項目を設けるほか、産業医は健診からもれる従業員を意識するなど、自治体や医療機関も含め全体で考えるべきでしょう」と提案している。
健康格差も深刻 健保、健診…制度見直しも 2016/10/10 毎日新聞

 現行法においては、労働安全衛生法第六十六条に「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。」とあり、また、労働安全衛生規則第四十三条 にも「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。」とあります。なお、法文にある「常時使用する労働者」とは、必ずしも所謂「正社員」というわけではなく、継続して一年以上の契約があり、かつ同事業所のフルタイム労働者の四分の三以上勤務していれば、該当します。そして、違反の場合は五十万円以下の罰金となります。
 しかし、記事にある通り、前記条件を満たさず、ダブルワークをしている場合は抜け穴的に適用外となりますし、そもそも非正規雇用だからという理由で受けさせない企業も少なくありません。また、法文には、一般的な健康診断に対しての費用負担の旨がない為、実際は労働省通達「労働安全衛生法および同法施行令の施行について」(昭和47.9.1 基発第602号)で「当然、事業主が負担」とあるにも関わらず、個人負担とする企業も多いですし、一部の社労士の公式サイトでは、「会社側が負担する義務はない」とまであります。言ってしまえば、健康診断に関わる法律は、「正社員が当たり前の時代に、会社の福利厚生みたいなカタチ」を前提としたものの侭であり、その結果が記事のような非正規雇用の低受診率につながるのでしょう。
 健康診断の受診率をあげるには、負担や対象範囲をはっきりさせた法改正を行う事や、それでも対象外になる人に向けた、行政が主導する健康診断を行う等、制度を大胆に整備する必要があるでしょう。筆者の意見としては、健康診断は全ての人に対し、行政主導で行った方が良いと考えます。

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