憶測とイメージだけで労組を語る記事が未だにある

 産経新聞が、事実を捻じ曲げるような記事を載せてきたので、今回はそれに対する批判エントリーを。

 今野氏の主張に基づけば、同一労働同一賃金は、もっと長時間労働の是正という観点から議論されるべきだといえる。正社員に際限なく仕事を命じることを可能にしている現在の雇用システムでは、長時間労働に至ることが必然だからだ。労働市場で賃金という対価に見合った職務が明確になれば、仕事量は制限され、働き過ぎに陥る恐れは防げる。

 だが、今回のシンポジウムでそこまで議論が深まることはなかった。労働者の命と健康を守る大義があるはずの労働組合が、過労死・過労自殺を引き起こす長時間労働の是正に的を絞った労働運動をしていない実態がにじむ。

 代わりに話題となったのは、これからの労働運動をどう進めていくかという「方法論」だった。

 大阪労働者弁護団の在間秀和弁護士は「安倍政権は労働側のスローガンを取り入れており、本当なら労働運動は勢いづくはずなのに、労働側は蚊帳の外に置かれている」と述べた。

労死の元凶・長時間労働防ぐ安倍政権に、労組が対決姿勢!?…「大義」はどこに  産経新聞 2017/1/4

 「木を見て森を見ず」を通り越して、「木を見て森と決めつける」ともいうべき、非常に乱暴な記事としかいいようがありません。そもそもこの日の「労働運動研究討論集会実行委員会」のレポート(PDF注意)を読む限り、労働組合が長時間労働の是正を邪魔しているような場面はなく、労働組合に関係する方々の発言は、どういう労働運動をしてきたかという具体例や、記事タイトルにある「安倍政権に対決姿勢」というものとして、山下恒生氏(大阪教育合同労組顧問)が、『・安倍労働政策が「報酬は時間ではなく成果による」と賃金を時間から切り離すという未来像に着目すべき。』というような事であり、限られた時間で自身の役割を考慮して発言したの過ぎません。
 労働組合は山ほどありますが、連合や全労連みたいな大手組合を見ても、連合では長時間労働是正の為にインターバル規制導入をするように政府に働きかけていますし(インターバル規制導入を=働き方改革で要請-連合幹部 2016/12/2 時事通信)、全労連も「労働時間法制の規制強化と安定雇用の確立を求める国会請願署名」を行っています参考。PDF注意)。他にも、過労死問題のニュースを見ると、大体の場合に労働組合の名前が出てきます。ワタミ過労死も、東京東部労組の働きかけや支援があって、ここまで社会問題になっております(参考)。労組が長時間労働の規制、改善の邪魔をしている事実などどこにもなく、むしろ、労組が是正する為にあらゆる行動を起こしているのが事実でしょう。
 
 この記事は安倍首相の「働き方改革」を手放しで絶賛したいがために、いい加減な認識の記事を書いたとしか思えません。もちろん、長時間労働を防ぐ取り組み自体は悪いことではないですし、歓迎したいものですが、現状「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ法案)」みたいな、過重労働を推奨するようなものも出しており、その部分を批判するのは、過重労働を防ぎたい側から見れば当然でしょう。本当に長時間労働是正の邪魔をしているのは誰なのかについては、様々な事実に基づいて判断すべきでしょう。

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