過労死基準を下回っても過労死認定される判例

 NHKニュースに、このような記事が掲載されていました。

過労死について、国が基準とする残業時間を超えていなくても認められるかどうかが争われた裁判の2審で、名古屋高等裁判所は「基準の時間に達していなくても死亡は業務に起因する」として1審の判決を取り消し、国に対して過労死と認めるよう命じました。
(中略)
23日の2審の判決で、名古屋高等裁判所の藤山雅行裁判長は「男性の時間外労働は、過労死の国の基準の100時間に満たない、月およそ85時間だったが、それだけで業務と関係がなかったと言い切ることはできない。男性には心臓疾患やうつ病があり、病気がない労働者の100時間を超える労働に匹敵する過重な負荷を受けたと認められる」と指摘して、1審の判決を取り消し、国に対して過労死と認めるよう命じました。

基準下回る残業時間でも過労死認定命じる 名古屋高裁 NHK News 2017/2/23

 厚生労働省が定めた過労死基準の時間を下回っていても(1月につき100時間以上、但し、2カ月連続の場合は1月80時間以上)、男性の病気を考慮した上で、過労死と認定したのが今回の判例です。尤も、これは画期的なわけではなく、過去にも、例えば池袋労基署長(光通信グループ)事件では、過労死直前の労働時間が厚労省の基準を下回っていても、それ以前の労働時間が過重労働だったことを考慮し、労災と認定しています(参考)。つまり、過労死認定は、単純に厚労省の基準と勤務時間を照らし合わせて決定されるのではなく、もっといろんな要素を考慮し、最終的に判断されるものといえます
 然し、それらが認定されているのはあくまで裁判で戦った場合であり、たいていの場合は基準時間を下回れば労基署が認定しません(過去の判例もそれがきっかけで訴訟となったことが多い)。それ故、基準時間未満の過労死例がいくつもある現状を顧みるに、現在の過労死認定の時間では長すぎるとも云えましょう。
 昨日の記事でも書いた通り、経団連や安倍政権は月100時間までの残業を認めさせようとしていますが、当然それでは長すぎ、過労死を防ぎきる事は出来ないというのはこれらの判例でも明らかでしょう。過労死ゼロを目指すためにも、残業時間はさらなる短縮を目指していくべきだと考えます。そもそも、過労死なんてものは一件たりとも発生させてはいけないものですから(某社元会長兼現国会議員で「24時間死ぬまで働け」と述べてたのがいますが、そんなのは論外)。

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