パワハラ防止は、労使双方にメリットがあるはずだが…

 パワーハラスメントの防止を企業に義務付ける法整備に対し、労働者側と経営者側の意見が対立しているようです。

厚生労働省は6日に開いた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会で、職場のパワーハラスメント(パワハラ)の対策として、企業に防止措置を義務付ける法整備をあげた。ただ、経営側の委員の中には「慎重に考えるべきだ」との声があがり、具体的な方向性は決まらなか
った。

パワハラには、企業に法的な防止義務が課せられていない。同じハラスメントでも、セクシュアルハラスメント(セクハラ)は男女雇用機会均等法、マタニティーハラスメント(マタハラ)は育児・介護休業法などで企業に防止措置を定めている。企業は相談窓口設置などが求められている。

厚労省は6日の分科会で、パワハラ対応策の主要な論点を提示。「事業主がパワハラ防止の措置を講じることを法律で義務付けることについて、どのように考えるか」と問題提起した。

経営側の委員は「パワハラと業務上の指導の線引きが困難だ。いきなり法による措置義務を課すことは慎重であるべきだ」とこれまでと同じ意見を繰り返した。

一方、労働側の委員は「ハラスメントの課題は深刻さを増している。対策を強化すべきだ」と指摘した。委員の大学教授からも「社会的な状況を考えると法制化は当然だ」との意見が出た。

パワハラ防止、厚労省が法整備案 企業からは慎重論 日本経済新聞 2018/11/6

 パワーハラスメントが無くなる事は、労働者側は言うまでもなく、経営側にも、法人が利益を上げる事が前提であれば、メリットしかありません。ハラスメントによって労働力が失われたり、心労で判断力が失われる事は、どう考えても利益に反します。しかし、経営側は法制化には反対しています。他の報道を見ても、ガイドライン(つまり、罰則などがなく、防止については企業の判断に任せる)に留めるべきだと主張しているようです。

 その背景として、推測ですが下記のような事があるように思えます。

①訴訟、報道等による風評被害や金銭的被害の防止

 おそらく、一番大きいのはこれであるように思えます。
 法制化するという事は、法を犯した場合は訴訟となり金銭的なやりとりが発生したり、報道で風評被害を受けるリスクが高まります。今までは防止に対する取り組みが不十分だということで法的に責任を負う事はありませんが、法制化されると、防止の取り組みが不十分であるというだけで、企業側が法的にも責任を負う必要が発生します。

②加虐欲求によるもの

 日本のような封建的な企業制度においては、自分の加虐欲求を満たすためにパワーハラスメントを行っているような例も少なからずあるように見受けられます(前回のビ・ハイアなんてその象徴みたいなもの)。その為、しばしば「ハラスメントは被害妄想」という言説も幅を聞かせています(「モンスター社員」なんて言葉がその象徴)。また、「自分の頃はこれくらい当たり前だった(からやってもよい)」という事も、ある意味では加虐欲求による正当化だと考えてよいと思います。

 とはいっても、パワーハラスメント防止の法制化は、長期的、マクロ的に見れば、メリットばかりです。企業の経営者側は、短期的な欲求ばかりに目を向けず、もっと大きな視点で防止策を考えるべきでしょう。

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