東映アニメーションの労基法逃れの偽装雇用問題に思うこと

 東映アニメーションの契約者が、長い争議の末、労働法の適用される雇用者として認められた問題について。

2001年の練馬西税務署の査察を契機に、154人の契約者が、自営業者としてではなく、雇用している労働者の「給与所得」として認定され、労使で「2004年に向けた雇用の改善」を確認したのは大きな成果ですが、会社はこれを順守せず先延ばしにしてきました。最後の最後まで労働基準法を適用せず、個人下請けにこだわり、労働者としては認めてこなかったのです。
全東映労連(注意:映演労連全東映労働組合連合)は、この間一貫して映画演劇労働組合連合会(映演労連)や動画労組とともに、東映アニメに働く契約者に労働基準法を適用するよう求める運動を展開してきました。この数年、動画労組と東映アニメが労使協議を重ねる中ようやく実を結び、3月2日の団体交渉の席上、労働基準法の完全適用、退職金制度を含む60歳までの期限の定めのない雇用を中心とした「契約社員制度」の労使合意に至りました。

しんぶん赤旗 2016/3/23 東映アニメの契約社員-自営業扱いやめ労働基準法適用(公式のネット記事がないので、画像引用しているツイッターのURL)

 すき家等で有名なゼンショーが、少し前にアルバイトを「労働契約関係ではなく、請負契約に類似する業務委託契約である」、つまり個人請負と回答(参考。東洋経済「個人請負という名の過酷な”偽装雇用”」)し、それ故労働基準法は適用されないと主張して非難を浴びましたが(当然主張は一切認められず)、アニメーター業界では当たり前のようにそれが行われており、今回、東映アニメーションにおいて、ようやく是正したという記事です。
 これについては、言うまでもなくグレーどころか真っ黒である為、元来は即刻是正しないといけないのですが、税務署の査察後から15年たって、労組の協議を経て、ようやく是正しました。つまり、労組の協議がなければ、違法行為なのに是正されず放置された可能性が高いということです。
 残念ですが、単純な違法行為すら、簡単に是正できないというのが現状という事です。但し、一方で、現状は労組を通じた交渉を行えば、手間はかかれど是正は可能という事でもあります。
 参考までにですが、東映アニメーションは現在JASDAQに上場しており、かつ昨今は、株価が大幅続伸しております(参考:会社四季報オンライン 東映アニメが続伸、配当予想の大幅上方修正を好感)。会社側が柔軟な姿勢を見せたのも、そういう良い状況であった可能性も考えられなくはないかもしれません。しかし、会社は業績が悪化した際にも備える必要があるため、期間雇用を増やす、一時金を出すみたいな調整が簡単なものは行えど、調整が難しい事には好況時も消極的な事がほとんどです。
 何度も類似したことを書きましたが、法すら守られない労働環境の是正について、労組は非常に効果的です。労働組合法に守られており、既存組合の場合は争議の知識や労働問題に強い法律家等のつながりも強い事が多い為、単独で戦うより何倍も強いのは言うまでもないでしょう。
 結局この結論に落ち着くのは何だかなあ(阿藤快氏)という感覚もありますが、労働争議解決のニュースの大半は労組が絡んでいるのが現実であるため、仕方ないのかもしれません(苦笑)。

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